相続対策
2024年04月02日

叔父叔母との家族信託のケース

叔父・叔母との家族信託

最近自宅での生活が大変になってきたので、叔父は自宅を相談者に任せ、叔母と故郷の東北に帰りたいと希望していると相談があった。

状況

相談者は50代前半の女性。いつも面倒を見てくれて、子供のように可愛がっている相談者に財産の管理をしてもらい、東北で高齢者施設に入ることがあれば、その資金の支払いなども任せられるとありがたいとのことだった。

経緯

相談者は、こどものいない90代の叔父と叔母がおり、週に2、3回の訪問介護を受けながら二人は自宅で生活をしており、相談者も月に1,2回訪れ、身の回りの手伝いをしていた。叔父は自宅を相談者に任せ、叔母と故郷の東北に帰りたいと希望していると相談があった。

相談内容

叔父の自宅を売却することも考えたが、叔父と叔母がいつでも戻れるようにしておきたいという相談者の希望もあり、すぐに売却はせず、今後の状況次第で売却が検討できるように、叔父から相談者へ自宅を信託することにした。

実際の対応内容

  • まとまった現金も相談者に信託をして、今後の生活費、施設入居費、葬儀費用等の支払いをすべて相談者ができるようにした。

  • 残余財産の帰属者については、自宅については相談者とし、現金については叔父の弟に残すことにした。

  • 受益者を叔父、叔父が亡くなった場合の第二受益者を叔母とする内容にして、叔父の信託財産を叔母にも使えるようにした。

  • 信託財産以外の財産も相談者へ残すことを希望していたので、叔父と叔母の遺言書も作成し、信託財産以外のすべての財産を相談者に遺贈する内容とした。

お手続きの流れ

  • STEP.01

    相談者とお打ち合わせ

    実際にご相談にこられてから、お打ち合わせを重ね信託内容を協議しました。

  • STEP.02

    受託者立会いの下契約書の作成

    叔父と叔母は、長い距離を歩くのが難しくなっていたため、公証人とともに自宅に伺い、信託契約公正証書と公正証書遺言を作成した。

  • STEP.03

    登記情報の変更

    信託契約書に基づき、叔父名義の自宅を、信託を原因として受託者である相談者へ所有権移転登記を申請した。

  • STEP.04

    信託口口座の開設

    受託者である相談者と一緒に金融機関に同行し、信託契約公正証書を提示して、信託口口座の開設をサポートした。