2024年05月05日

家族信託はいつできた?家族信託が注目される理由について解説

家族信託はいつできた?家族信託が注目される理由について解説

最近は財産管理の手段として家族信託を選択する方も増えてきています。一昔前まで耳にすることのなかった家族信託という言葉ですが、家族信託が行われるようになったのは比較的最近の事であるのをご存知でしょうか。今回は、家族信託が行われるようになった時期と、注目されている理由などについて解説していきましょう。

家族信託はいつできた?

家族信託は、信託のひとつの手法であり、信託法という法律によってさまざまなことが定められています。信託法という法律自体は、1922年に制定されたものですが長い間改正などは行われておらず、時代にあった法律とは言えませんでした。しかしながら、2006年に信託法が施行後初の改正が行われ、さまざまな場面で信託を活用できるようになったのです。信託法が改正されたことで、家族信託という新しい形の信託が生まれ、これまでに成年後見人制度などでは対応が難しかった家族間の財産管理にも役立てられるようになりました。

家族信託が注目される理由

家族信託が中高年の財産管理のひとつとして、さまざまな場面で推奨されていますが、なぜ、ここまでの注目を集めているのでしょうか。家族信託が注目されている理由について解説していきます。

2025年には高齢者の2割が認知症になる?

家族信託を検討している方の多くは、将来的に自身が認知症などになって財産管理を行えなくなる場合に備えていることがあげられます。

厚生労働省が取りまとめた「認知症施策推進総合戦略」によると、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人は、認知症になることが見込まれています。現状、認知症を確実に予防する手段がないことからも、万が一に備えた対応が必要になるのです。高齢化が進む現代の情勢からも、将来的な病気に備えて家族信託で財産管理を行うことに注目が集まっています。

成年後見人よりも柔軟な対策が可能

家族信託に似た財産管理の制度には成年後見制度があります。成年後見制度は家族信託ができるようになる以前から存在している制度です。成年後見制度では、判断能力がない人の財産を、後見人が当事者の生活のために管理することを目的としています。そうしたことから、当事者の生活を充足させる目的以外での管理は許されず、財産の運用などを行うことはできません。

しかしながら、家族信託の場合は、生活のためにしか使用できない後見人制度と違い、財産の持ち主である委託者である当事者の意向に合わせてさまざまな財産の管理運用方法を指定できるのです。

そうしたことから、最近は後見人制度よりも自由に財産管理の条件を設定できる家族信託の有益性に注目が集まり、契約する方が増えていると考えられます。

認知症になってからでは家族信託を利用できない

家族信託は、非常に柔軟性のある優れた財産管理方法のひとつではありますが、認知症などになってからでは契約はできません。家族信託は、財産の持ち主である委託者と管理を依頼される受託者との間に締結される契約になるため、双方の正常な判断能力が求められます。

そのため、すでに認知症を発症した委託者の子供などが受託者となるために、家族信託の申し立てを行っても、委託者に適正な判断能力がなければ投資信託を行うことはできないのです。認知症が発症直後で極めて軽度であれば行える可能性もありますが、万が一の状況に備えて、健康なうちから投資信託を検討する必要があります。

家族信託の活用方法

家族信託は、状況に合わせて柔軟に条件を設定できることから、さまざまな目的で契約できます。家族信託の活用方法の一部について紹介しましょう。

財産の有効活用

家族信託は、信託に設定した信託財産を受託者に管理させて、受益者に財産による利益を与える形を作る契約です。信託契約は、契約後も委託者や受託者、受益者の状況に合わせて変化させるような内容にすることも可能です。所持しているだけで活用できていない財産を有効的に運用することもできます。

遺言代用

遺言代用は、信託契約と同様の契約ではありますが、委託者が死亡後の財産管理を設定します。そのため、信託の開始は委託者の死亡時となるのです。遺言と同じような働きがあることから、遺言代用として委託者死亡後の財産管理に活用できます。

事業継承

家族信託の財産には、会社や株式なども設定することが可能です。委託者が経営者で家族や知人に会社の引継ぎを行いたい場合にも家族信託を活用することが可能です。経営の一部だけを継承するなど、状況に合わせた事業継承ができます。

障害のある子供などの生活保障

障害などで判断能力が乏しかったり、自身のみで生活が困難であったりする子供がいる場合にも家族信託は活用できます。将来的に親が認知症になったり、死去したりした後も子供のために財産を運用管理することが可能です。

まとめ

信託法が改正されてから10年以上は経過しており、家族信託の有効性はこれまでの月日で証明されているとも言えます。信託契約を個人で行うのは非常に困難であることから、信頼できる司法書士や弁護士に依頼して、家族が納得できる信託を行うようにしましょう。

「横浜の家族信託なら播司法書士事務所」では、これまでに数多くのお客様の相続問題を取り扱ってきた確かな実績があります。財産管理や相続問題でお悩みの方は、ご希望に合わせて迅速丁寧に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。